11月20日に東京でプーチン大統領とお会いしたときには「1月くらいに」と考えていましたが、ポンポンッと話が進んで、急遽――。 12月21日と22日には、井上康生とDVDのためのビデオ撮影で、柔道をしました。24日には、プーチン大統領と井上とで、ロシアのこどもたちに柔道教室を開きました。その後、さらにDVDのためのビデオ撮影をしました。その時のプーチン大統領はリラックスされていて、とてもよい映像が撮れたと思います。 井上康生は、「柔道って、すごい。すごい力がある。改めて柔道のすばらしさを感じました」といっていました。どうやら、プーチン大統領にぞっこんになってしまったようです。 ビデオ収録の合間の23日の夜、プーチン大統領にイタリアンをごちそうになりました。11月にも東京でごちそうになりました。ひと月あまりで2度目ですから、いいのかなとも思いましたが、非常に楽しい会食でした。話の内容も豊富で、ことにプーチン大統領は日本のことをよく勉強されていてとても詳しく、ビックリさせられることばかりでした。 プーチン大統領は食事の間、井上康生にほほえみながら話をしたり、うなずいたり、オーナーやオーナーの奥様やシェフなどにも心を配られていて、とても暖かい人間味を感じました。一国の代表というときには、KGB出身ということあるのでしょう、感情を表に出さないようですが、この夜は、生身の人間を感じました。 帰りの車で井上康生に、「うまかったな!」と問いかけると、「味なんか、全く、分かりませんでした」といっていました。緊張している様子でもなかったんですけど――。 宿舎に戻ってから、プーチン大統領が私にしてくださったたくさんの話の内容を思い返してみました。 私は、柔道を通して、日本とロシアのためになんとか役に立ちたい、日本とロシアが仲良くなって欲しい、力を合わせてやって欲しいという思いで外務省とともにさまざまな活動をしてきました。
プーチン大統領は、これまでの私の活動を把握していて、よく理解してくださっていたのです。だから、プーチン大統領が盛んに日本のことを話題にされたのは、「日本とロシアのために応援してくれて、ありがとう。私も日本が好きだし、互いに難しい問題を抱えているが、これからももっと努力するつもりだ」というメッセージが込められていたからなのだと感じました。」というメッセージが込められていたからなのだと感じました。 ※追記:嘉納治五郎国際柔道大会(2006年1月14日・15日、日本武道館)で日本にいらした世界各国の方々から、サンクトペテルブルグでのプーチン大統領とのことについて話しかけていただきました。たくさんの国にあのときのことが伝わったのでしょう。