2004年6月に中国・上海で国際柔道連盟のセミナーが開催されました。その際に中国柔道連盟の方から、「中国・北京五輪まであと4年ですが、いまの中国男子柔道チームにはメダルを獲得する力はありません。中国男子柔道が一度でも柔道競技場に中国の国旗掲揚ができるよう、ぜひ中国男子チームに力を貸してください」との話がありました。
いまは日本と中国の間は政治的にもよくない状況ですが、柔道という限られた交流であってもそれを大切にして、ぜひとも次の五輪が成功するためのお手伝いをさせていただければと考えています。
そして、中国との関係をよくしていきたいと考える日本企業(全日空・新日鐵・トヨタ自動車)の賛同があって費用面などでサポートしてくださることになり、今回の中国男子柔道の支援が実現したのです。
東海大学湘南校舎付近に合宿所を提供
嘉納治五郎国際柔道大会(1月14日・15日、日本武道館)に参加するために、中国男子チームが来日しました。この大会は2日間だけですが、40カ国・地域の選手が出場しました。
短期間の大会が終わったら国へ帰っていくだけではもったいない。こういう機会に、日本の選手や指導者たち、同様に集まった世界中の選手たちとじっくりと稽古をともにすることができるようにサポートしようというものです。
今後は先ほど申し上げました3社のサポートを受け、年2回の割合で日本に招致し、東海大学柔道部と、また全日本チームの合宿に、そしてほかの大学柔道部での稽古にも参加して、柔道の技を磨いてもらいたいと思います。そうして、日本や世界中の選手たちや指導者との稽古を通して、将来、中国柔道のリーダーとなってくれる人たちが育ってくれたらと願っています。