新年明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い致します。
さて、今回は私がずっと大事にしている絵の紹介をさせて頂きたいと思います。それは、「世界身体障害者芸術家協会」の安達巌(あだちいわお)さんが口で描かれた油絵です。
(大学の研究室に飾ってある安達さんの絵です。)
私は、10年前に、安達さんのことを知りました。安達さんは、小学生の時に、高圧線に感電してしまい両腕を失いましたが、口で筆を持つことで素晴らしい絵を描いてらっしゃいました。私は、安達さんの心が洗われるような絵に大変感動し、絵を購入させて頂きました。そして、絵の素晴らしさだけでなく、絵を描くことによって出た収益を、他の障害者の方々が自立していくための費用にしていることに、大変感銘を受けました。
私もロサンジェルスオリンピックで、世界一になるまで、非常に激しく厳しい練習を重ねてきました。自分に妥協せず、自分の青春の全てをそれにかけていました。しかし、安達さんや「世界身体障害者芸術家協会」の皆様が、口で筆をくわえて素晴らしい絵を描くことに至るまでの努力と比べたら、私の努力はさしたるものではなかったかもしれません。
10年前に購入した安達さんの絵を、私は大学の研究室の机の前に、いつも飾っております。私は、決して強い人間ではありませんので、時には、自分が駄目に見えたり、やる気が無くなったり、自己嫌悪におちるような時もあります。そんな時には、飾ってある安達さんの絵が、喝を与えてくれます。「そんな風で、どうするのだ。しっかりせい」と、励まし、エネルギーを与えてくれるような気がします。
この油絵だけでなく、世界身体障害者協会では様々な作品を発表、販売しております。是非、多くの方がこの一度、作品を目にして頂きたいと思っております。
新年の初めに、安達さんの奥様からお手紙を頂きました。安達さんが昨年の9月に脳内出血によってお亡くなりになったということでした。安達さんの机の中には、私からの手紙が大切にとってあったそうです。現在は、多くの方が安達さんの行き方に触れられるように、作品集や自叙伝をまとめる話が進んでいるそうです。これが出来上がりましたら、またお知らせしたいと思っております。
私だけでなく、多くの方々が安達さんの絵に触れ、エネルギーや生きる力を得ること出来るのではないかと思います。
安達様、本当にありがとうございました。
リンク:世界身体障害者協会
http://www.mfpa.co.jp/
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