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2006/7/26  国際開発ジャーナル(株)島津インターナショナル 7月号2006 No.596
かつての日本の「和」の心を世界へ。

日本では考えられないけど、世界には1着の柔道着をみんなで回し着したり、畳がないから砂場で柔道しているような国がかなりあるんですよね。そういう貧しい国々での柔道普及を支援していくために「柔道教育ソリダリティー」を設立しました。リサイクル柔道着の寄贈、指導者の派遣、外国人選手や指導者の受け入れなどをしています。

 世界の柔道普及と同時に、柔道を通して日本の心を伝えたいという思いがあります。柔道で使われる言葉は、「礼」、「始め」、「一本」などすへて日本語。外国人は、初めは分からないけど、やっているうちに「どういう意味があるんだろうか」、「なぜ試合前に頭を下げるのだろうか」と疑問をもってきます。そうすると、柔道は激しい競技だけど、「一番大事なのは相手に敬意を払うこと。それが日本式の礼である」、「戦う相手は敵ではない。相手がいて、自分を麿き高めることができる」とだんだん柔道の思想や哲学にも当然触れてくるわけなんですね。だから、世界の柔道家たちは、日本文化への関心が高いのです。

 反面、世界をまわってみると、まだまだ日本という国が理解されていないと感じます。ですから、柔道を通じて日本への興味を示して欲しいのです。たとえば今、北京五を控えた中国男子柔道の強化を支援しています。悪化している日中関係ですが、柔道で少しでも相互理解の手助けができればと思っています。

 今、アメリカ的な価値観がクローバルスタンダードみたいになっているけど、世界には多種多様な文化があって、そこを一つの価値観で決めていくのは無理があるような気がします。逆に自分と違うものを認め、共通点を大事にしてお互いを尊重しながら共に頑張っていくことが必要なんじやないかな。市場経済の下に、貧富の差が広がっている。自己主張もいいけど、かつての日本的な相手の立場を尊重する「和」の心が世界に広がっていくことが、多くの人たちの幸せや平和につながっていくのではないかな。僕は、われわれさえも見失っている日本人の心を柔道からよみがえらせたい。

143号


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