県体育協会の新会長に1日付で就任する柔道五輪金メダリストの山下泰裕東海大教授(48)=大磯町在住=が31日、現会長の松沢成文知事とともに記者会見した。「人々に夢や希望を与えられる選手を育成したい」と熱っぽく抱負を語った。

歴代の同協会長は知事が務めており、民間人は初めて。松沢知事は「知事の役職兼務を見直す中で、体協会長は民間人で活動力のある方にと考えた。それなら『世界の山下さん』をおいてほかにない」と述べ、昨年11月から就任要請していたと明らかにした。

国際柔道連盟や全日本柔道連盟の役員を務め、多忙を極める山下氏は当初固辞したが、「終のすみかと決めた神奈川県に恩返しできれば」と決意したという。

山下氏は、「人々に夢や希望、活力を与えられる選手が神奈川から世界にはばたけるよう支援したい」と抱負を語った。さらに、「スポーツはもちろん、勝ち負 けが大事だが、人づくりも大切。スポーツを通した青少年の健全育成に取り組みたい」と力強く続けた。

同協会は市町村や競技団体など93団体で構成する。山下氏の任期は2年。【足立旬子】