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「自分が勝つことはほかの人たちにとっても喜びでなければいけない」
山下泰裕先生は、『ぺルナのしっぽ』アニメ化のエンジェル会員です。先生はある日とつぜん「ぺるなのしっぽ」を支える会の事務局長・新名哲明さんのところに、自ら電話をかけてきてくださいました。「『ぺルナのしっぽ』を10冊買いたい」と。そのあとすぐ、エンジェルさんになってくださいました。大きな心強いエンジェルさん誕生に、支える会メンバー全員が大喜びをしたのはいうまでもありません。
そこで今回、『ペリラ倶楽部』創刊号で、東海大学柔道研究室へ山下先生をおたずねし、貴重なお話をうかがいました。
怖いのは人間のおごりであり、高まんです
私たちは競争の勝ち負けの世界に生きてきました。人間としてはやさしく思いやりをもった紳士でなければならない。しかし、勝負は人を引きずりおろしてでも勝たなければならない世界です。その価値観が、四、五年前から変わってきています。自分が勝つことは、ほかの人たちにも喜びでなければいけないと思うようになったんです。
私はいま四四歳です。ここまで生きてきて思うに、一人の力はわずかですが、一人ひとりが手をつなぎ、力を合わせることで大きな力になります。ものを成しとげるためには、いかに多くの人と手をつないでいけるかにかかります。
根きょはないのですが、私は人間は本来、他人を思いやって生きていこうという心が基本的にあると思います。良心ですね。ところが、いまの競争社会の中で、そういう遺伝子がかくされてしまって、他人を思いやるより競争に勝って上にいけば幸せという、本来の人間らしさを失ってしまった。そのひずみが子どもたちにもあらわれています。
障害者うんぬんではなく、ひとりの人間らしさをもっともっと大事にしたい。誰でもすばらしいところと、足りないところがあるはずです。自分も大事だが家族も大事、他の人も大事。日本も、ほかの国も大事。そう思わなければいけない。
いま求められているのは、物の豊かさではなく、心の豊かさです。点数をたくさん取るための生活ではおかしくなる。
私とベルナの出会いは、ある保険会社の講演を頼まれたときに、私の前にどんな人たちが話をしましたかと聞いたんです。そこに郡司さんのお名前がありました。『ベルナのしっぽ』の本のこともそのとき知りました。本をすぐ買って読みました。感動しました。一〇冊くらい買って知人にプレゼントしたんですよ。(笑)。ぼくは行動を起こすのは早いんです。すぐにエンジェル会員にも申し込みました。
自分が感動しなければ人間の“情”が、人間の“心”が育っていかない。怖いのは人間のおごりであり、高まんです。
人々の心の中に『こういう生き方でいいんだろうか』という疑問が起きています。社会を非難するのではなく、いままでの世の中の価値に疑問を感じて、自分自身が勉強しなおしていく必要性を強く感じています。
完
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