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「五体不満足」を読んで |
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非常に多くのことを教えてもらう 『五体不満足』(乙武洋匡著:講談社刊) |
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シドニー視察にでかけた感想などをお伝えするためにここに載せようと思っていましたが、それは少し後になってからにさせてください。言いたくてしかたのないことができました。 シドニー視察にでかける飛行機のなかで、『五体不満足』を読んだのです。 とても強い衝撃を受けました。 我々が忘れてしまったもの、なくしてしまった大切なものが、沢山この本のなかにに入っている。 希望を持って生きること、夢を持って生きること。 人がお互いを思いやること。助け合い。優しさ。 乙武さん。この方は1976年生まれだから23才でしょうか。その歳で、人生をいかに生きるべきか、人生を深くしっかりと考えている人であるという気がします。私などは、そうしたことを考えはじめたのはやっと35歳を過ぎてからだったのです。 乙武さんは、役割というか、使命を持って生まれてきて、私などよりもはるかにしっかりしている。教わることがあまりにも多いのです。 誰が言ったのかは不確かですが、100人か50人に一人、何らかの形で障害を持った人がいるというこの事実は、実は神様からこの地上への贈り物なのだという言葉を思い出します。人々がお互いに相手を思いやり、助け合うようにするための神様からの贈り物だと。 私の経験からも間違いなく言えることは、障害を背負った人たちがそばにいるという雰囲気は、人々の中に、子供たちのなかに自然に思いやり、優しさが生まれているということです。最初はたまたまそうかなと思ってましたけれども、でも本当にそうなのです。これは多くの人たちが同じことをおっしゃっています。 以前、イギリスに行って町中に車椅子の人とかハンデを背負った人をよくみかけるのにびっくりしました。日本ではなかなか見かけることが少ない。最初は、「あぁ、イギリスには、こういう障害を持った人が多いんだなあ」と思ったんですね。 ところが、違いました。要するに、イギリスは、障害を持った人が多いのではなくて、一般 の人たちと同じよう に生活できる、そういう環境が、はるかに整っているんです。 駐車場でも障害者の人たちが車をとめる場所が一番便利な場所に確保されています。 地下鉄でもそうです。ロンドンの地下鉄は、かなり深くを走っているところも多いんですが、車椅子の人がエスカレーターのところに着くと、周りの人がサッと助けるんです。 だからこそ、そういう人たちを頻繁に町中で見かけた。そのことを知ったときはショックを受けました。 日本では、障害を持った人が家から出たら迷惑がかかるというような雰囲気がどこかにないだろうか。その人たちのせいではないのに。日本も早く、イギリスのような雰囲気が満ち溢れるようになってくれないかなと思いましたね。うまく言えませんが、障害を持った人たちが自然に、自立して生きていけるような社会になってほしいと強く思います。 |
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